相続税は遡及法?〜賃貸不動産を利用した節税対策〜

こんばんは。ノラ鑑定士です。

よろずFP話、賃貸不動産がらみの相続税節税について書きます。

スポンサーリンク

相続税増税に伴う賃貸レジ開発

貸家の建築着工件数は高水準です。国交省の住宅着工統計によると、リーマンが起こった2008年並みの高水準です。理由はいろいろ言われていますが、相続税の増税の影響も確実にあるでしょう。あとで詳しく書きますが、賃貸不動産があると相続税を節税できます。

人口減の時代になにいっぱいアパート作っているんだという至極もっともな議論があり、実際立地が悪い物件だと竣工後も全戸空室といった悲劇も起こっているようです。

そんな建築にファインスをどんどんつける銀行に金融庁からちくり釘さしみたいなのもあるようです。金融庁は銀行の財務体質の悪化を懸念しています。

今後も賃貸マンションの開発が続き、空室だらけでまともな運営ができない物件が増えてくれば、借入金も当然支払えなくなる可能性が高いですからね。

まあ、民間にぎゃあぎゃあ言う前に賃貸不動産で節税できないよう、財務省と立法府に働きかけて相続税法変えればいいのにねと思います。国の懐も温かくなるし。まあできるわけないですね。大金を持ち、節税対策をしなきゃいけない権力者たちを敵に回すことになりますから。

不動産を使った相続税節税

賃貸不動産を活用した相続税節税は昔から王道です。FPや宅建実務では必須知識です。相続税の財産評価は必ずしもその財産の時価とは一致しません。賃貸不動産の場合、最近は都内でだいたい時価の3〜4割程度が相続税計算上の評価額でしょうか(物件次第でかなりブレます)。

つまり時価10億円の賃貸不動産を相続しても、相続税法は「その価値は3〜4億円」と言ってくれるのです。差額6〜7億円×数十%の税率で簡単に数億円節税できます。当然この物件は相続が発生するまで賃料収入もあります。お金持ちはすごいです。

相続対策で不動産を買う人たちは、利回り水準で買うプロ(ファンドとかREITとか)では紹介された瞬間に物件資料を破り捨てる値段(利回り)の物件でもバンバン買っていきます。収入を得ることが主目的ではなく、節税が主目的ですから利回りは多少低くてもいいんです。

というか同じ収入、同じ相続税評価額の物件であれば利回りが低いほど(つまり価格が高いほど)節税効果は大きくなります。あまり高く買いすぎると相続が終わって相続人が売却する際に節税した以上に安く売ることになって意味なくなっちゃいますが。

節税対策は常に見直しが必要

一般に法律には不遡及の原則があります。過去に適法であったものはその後の法の成立などによって違法となっても罰しないというものです。この原則のおかげでみんな安心して活動できます。

ところが、相続税に限らず税法は課税イベントが起こったタイミングでの状態が全てです。過去の条文なんて関係ない。つまり現時点の法律に基づいて相続税対策しても相続時点で法律が変われば無意味どころか逆効果になってしまうことだってあり得るわけです。過去の行為を否定できるという意味で税法は遡及的な要素があります。違法なわけではありませんが。

タワーマンション増税とかもそうです。まあ、あれは今後作るやつのみであったりとか、1階ごとの評価額の差が小さいとかあまり大きな効果はないと思いますが。

ちなみにタワマンの最上階とかのプレミアムフロアは専有面積が広い(100平米を軽く超える)くせに、面積単価もえげつなく上がり、評価額は小さいと相続対策からは理想的な商品です。

仕事でとある都内タワマンの最上階の登記を全部あげたことがありますが、非上場オーナー企業(の代表者)が甲区にバンバン出てきてました。単純な住居というよりは別宅(甲区には所有者の住所も載っていますが、タワマンの住所と一致しない笑)であり、相続対策でもあるものと思われます。

ちなみに登記は手数料払えば誰でも取れます。同僚がどのくらい住宅ローンを組んでいるかもすぐに調べられますよ笑

まあ、相続税対策はちゃんと見直してくださいねという話です。法律が変わらなくてもいろいろな要素の影響を受けますので定期的に見直さないと配偶者や子供が苦しみます。お金持ちにとっては悩みの種であり、金融・不動産業の人にとっては飯の種です。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする